南博の水脈

読売新聞本日の朝刊「時代の証言者 名画上映 高野悦子(4)によると
高野は46年に入学した日本女子大で、アメリカ帰りの気鋭の社会心理学者南博に出会い、指導教授とする。

先生は個別の課題を与え、私のテーマは「マスメディアとしての映画」でした。「娯楽には大衆の無意識が反映される。ヒトラーは映画を利用して大衆心理をとらえた。映画などを通して何となく形成された男らしさ、女らしさというイメージは根強い。言いかえれば、無意識の部分をかえれば社会も変わる」と持論を語り、「送り手、その内容、受け手」との関係で研究するよう指導されました。

高野らは学生でグループを作り、映画館に出かけ観客の反応を調査する、今のマーケティング・リサーチを行っていたという。南が社会心理研究所を創ると、一橋の南ゼミの学生とともに参加し、映画研究のグループを作って活動した。ほかには新聞、ラジオ、流行歌、婦人問題などの部門があった。

余談ながら、この時に知り合った2人が後に東京都知事になります。早大生だった青島幸男さんと、一橋の南ゼミにいた石原慎太郎さんです。