[社会]労基法改正への動き──残業代が不必要に

m_naoki氏のブログを読んで知った情報。

2004年3月、内閣は「規制改革・民間開放推進3か年計画」においてアメリカのホワイトカラー・イグゼンプション制度を参考にした裁量性の高い業務についての適用除外方式の検討することを閣議決定した。厚生労働省は、2005年4月より、「今後の労働時間制度に関する研究会」において、アメリカの同制度等を含む労働時間全般について検討し、同年12月に報告をとりまとめ、来年には労働政策審議会の審議がなされ、2007年に国会に労働基準法の改正案が上程される予定である。
http://karoshi.jp/topics1.html

裁量労働制とは?
裁量労働制は、仕事を労働者本人の「裁量」にまかせるというたてまえの働き方で、何時間働いても事前に「労使協定」で決められた時間だけ働いたとみなす制度。
実際は残業しているのに「労使協定」が八時間であれば、八時間しか働いていないということになる。

■ホワイトカラーって誰?
アメリカの場合
アメリカの公正労働基準法(FLSA)と労働長官の規則によると、例えば、部下を2人以上管理している労働者で、年収が280万円程度以上であれば、概ね管理職のイグゼンプトとされています。
…使用者が違法に残業代を払わないで、裁判になるケースも続出しています。あるレンタカーチェーンでは、3人のショップの従業員にうえから、マネージャー、アシスタントマネージャー、マネージャー見習いという肩書きをつけて、「全員マネージャーだから、管理職だ」として、一切割増賃金を支払っていなかったため、集団訴訟を起され、巨額の賠償金を支払わされています…
http://www.ver-law.ne.jp/topic_whitecolor_kiken.htm


□日本の場合
管理職ではない。
「現行の専門業務型裁量労働制の対象業務に従事する労働者」
「労使協定や労使委員会の決議で定めた業務で、かつ年収400万円以上」
言い方を変えれば、工場労働者などの「肉体労働者」であっても、年収が400万以上であれば、ホワイトカラー。
普通に想像するようなホワイトカラーではなく、ほとんどの労働者と言えます。
アメリカの場合のように「全員マネージャーだから、管理職だ」と言い訳しなくてもOK

富豪刑事──見たことないけど──の深キョン風に言うと「どうしてこんなことに〜!」(Copyright.editorK
いや、もちろん残業代を払わない会社なんて幾らもあるけど、最初から払わなくてもいいというのはいくらなんでも無理というもの。1947年に公布された労働基準法は、教育基本法などとならんで、新憲法に代表される戦後民主主義の理念の代表的な具現化とみなされてきたはずだ。その背景には新憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文がある。憲法改正を頂点とする一連の動き、という感じがする。だけど、そうした大きな動きはおいといても、給料が減って喜ぶヤツはいないだろう。なぜもう少しは大きな話題にならないのか。