2006-02-21から1日間の記事一覧

花田清輝の戦後批判(補足)

花田の、いわば斜めの位置からの左派批判は、二十世紀の戦争が世界戦争でもあったがために必然的にはらんでしまう仮象──すなわち、戦争という極点において全世界が同期する──を撃つものだったといえる。だが現在(脱冷戦期)にあきらかになったのは、日本人…

花田清輝の戦後批判

五十年代の左派ナショナリズムの昂揚に対して、独自の位置からの批判を行っていたのが花田清輝だった。それは二本共産党の公式コースからも、あるいは「近代文学派」などのリベラル知識人とも明らかに異なっている。彼は「現代史の時代区分」で、宮本百合子…